10月は、季節もよく、子ども達の活動も活発になり、一段と成長していく時期です。

先月のこの欄で、夏休みの園内研修を紹介いたしましたが、そのなかで、「不適切保育(虐待を含む幼児への人権侵害等)防止」、さらにパワハラ・不適切保育に関する「ロールプレイング」の研修を実施したことにも触れました。

パワハラは不適切保育にも繋がりかねないことから、私たちの各園ではこれを一体として捉え、春・夏・冬の園内研修には必ず行っています。そして、これら統一テーマの他に、自主的テーマとして、具体的事例を考えながらの「不適切保育防止・自己点検」の研修を行う園もあります。

そんななか、9月のシルバーウィーク中に、西区のある園の衝撃的な虐待事件の報道がありました。なんだか園名が当学園の園に似た名前で、いささか気にはなりますが、それはさて置いて、今時このような虐待が行われていることに、驚きを禁じ得ませんでした。

報道によれば、11件の虐待(内2件が管理者の放任事案)とのこと、何故に同僚の先生も含めて、保育者同士が長期間見て見ぬ振りをしたのか、保育者の本質的姿勢に係わることと思います。

不適切保育(虐待)は、一度注意すれば良いという問題ではなく、保育の仕事の性格上、常に感情をコントロールしていかなければならない課題を抱えていますから、不断の意識を持続するべく、たゆまない研修や日常の意識喚起が欠かせません。このため、私たちの園では、毎朝の朝礼で、不適切保育の注意喚起を全員で読み上げ、また保育者同士で、先輩・後輩に関係なく、保育中はお互い注意喚起のため「止めましょう」や「こうしたらどうでしょう」などの声かけを心がけるようにしています。

また当学園では、毎年度初めに、理事長より口頭及び書面にて全教職員へのお願いとして、1年間を通しての重要メッセージを発し、これを年間保育活動の基本のひとつとしています。

今年2026年度のメッセージの一項目に、できるだけ原文に近く要約すると、次のようなメッセージを発しています。


【「自らその場で不適切な行為を「止めましょう」やそれに替わるその他の適切な言葉がけをせずして、これを放置する姿勢は、自らも不適切な対応をし、その責任を放棄しているに等しいことを強く認識してください。それが昨年度のメッセージで、職場の「共通語」としてくださいと申し上げた意味です。今年度は、このことをさらに強くおし進めます。毎日皆で「確認しあう」こと、また「止めましょう」などの声かけは、不適切な行為に対してだけではなく、むしろそれ以上に傍観しようとする人に向けた注意喚起であることを知ってください。先輩・後輩に関係なく、互いに学び合い、尊敬し合う職場にしましょう。】


しかし、十分に注意をしていても、しつけや教育がともなう保育・幼児教育の現場では、日常保育のなかの具体的場面では、これが不適切保育なのか、そうでないのかとの判断に迷うこともあります。このために、保育者は、自らこれで良かっただろうかとの振り返りが必要です。

今回の報道を、他人ごととせず、保育者全員に課せられた重い課題であると受けとめ、真摯かつ謙虚に保育に向き合うことが大切です。

改めて、今回の報道を踏まえて、不断の努力を積み重ねて参ります。