街に、イルミネーションの光とクリスマスソングが鳴り響く時期となりました。なんとなく、温かくほっとする気持ちになります。そして、子ども達にとって、サンタさんの訪問は、わくわくする楽しみです。 

特に、期待しながら眠った朝に、枕元にプレゼントが届いているときの不思議さと喜びは終生忘れられない出来事でもあります。 

実は、その喜びは、大きくなったときに、送り主が自分を大切にしてくれていた人であることを知り、送り主への愛着を実感することになります。 

先々回は子育てにおける祖父母の役割、また先回は父親の役割についてお話しましたが、今回は母親を含めての子どもの成長に何よりも大切な家族との「愛着」について、少し突っ込んで話をしてみたいと思います。 

愛着は、広辞苑を引くと、僅か2行で、「人や物への思いを断ち切れないこと」とそっけなく記載しているだけです。しかし、子どもの発達過程における「愛着」は、もっと深い意味があります。「愛着(アタッチメント)」を唱えたのは、イギリスの心理学者ジョン・ボルビィですが、「愛着とは特定の人に対する特別な情緒的結びつき」であり、幼児期の発達とその後の人格形成に大きく影響するというのです。愛着を概ね3段階に分け、生後1年くらいはその前段階として、特定の人(一般的には特に母親・父親)に対し、目を向けたり、顔を後追いをしたり、笑いに反応する行動などが見られ、1年から半年の間に急激に発達し、自ら笑ったり、発声したりします。その2ないし3年後には、すなわち幼稚園・保育園時代には、他人と区別し愛着を持つ人を言わば「安全基地」として、外への活動(遊び)を広げ、不安になると「安全基地」へと戻っていきます。そして、幼稚園・保育園の卒園頃から小学校に入る頃には、「安全基地」から離れても、感情を自分でコントロールし、他人との関わりや、思いやりを持ち、活動の輪を広げていきます。この愛着が健全に育っていないと、感情をコントロールできずに、また他人への思いやりを感じにくく、怒りやすく、自制心や自律心を欠く傾向になると言われています。心の「安全基地」ができていないことから、情緒が不安定になりがちなのです。

 先日の幼稚園・子ども園協会の会合で、私が尊敬する角谷正雄先生(魚沼市金城こども園理事長先生)が「愛着」の重要性をお話しておられたことを議事録で知りました(角谷正雄先生は、私よりはお若いのですが、同じ保育の大学で共に学んだ先生です)。

 近年、子どもの自主性を大切にする取り組みが重要視され、当学園もそのことに取り組んでいますが、他方幼稚園・保育園の関係者の会合では、最近の傾向として、他者への思いや感情をコントロールしにくい子どもが増えているのでないかという指摘もあります。 

そういったなかで、ご家庭での愛着の大切さを認識され、お子様との深い愛着関係を築く時間を大切にされて欲しいと願います。クリスマスの夜のサンタさんの訪問は、まさに愛着が込められた大切な出来事なのです。