11月に入りましたが、10月は、「作ってあそぼう会」が姉妹園の各園で行われ、なお現在進行中の園もあります。先生方が、早い段階からプロジェクトを作って、さまざまな意見を出し合い積み重ねてきました。

そのためには、どうしたら子ども達が楽しく主体性をもって活動していけるのかを考え悩みます。主体性をもって活動していくうえで大切なことは、意欲をもって興味や楽しみを感じていける遊びがあることです。従来の展示型の作品展から、「作ってあそぼう会」へと変えてきた理由はそこにあります。

幼稚園を初めて創設したフレーベル(ドイツの教育者)は、その教育思想が宗教観に根ざしていたとは思われますが、子どもは神秘的であり、子どもの意欲的な遊びこそが情緒的、精神的成長に欠くことができないものであることを説いています。

このような考えは、科学が発達した現在の脳科学でも裏付けられ、遊びの大切さが実証されています。子どもの脳の発達には、多様的な環境(遊び)が必要であるとされ、脳が様々な環境(遊び)からそれを自分に合った環境(遊び)を選び、脳領域(前頭葉・側頭葉など)の発達を促し、そして自分自身を形成していくということも分かってきました。難しいようにも思えますが、要は子どもの成長にとって、意欲的な遊びはとても大切であるということです。

さて、先月は、子育てにおける祖父母の役割についてお話しましたが、今月は父親の役割についてお話してみます。もちろんご両親揃っておられないお子様もおられると思いますが、「親はなくても子は育つ」と昔から言うように、基本は子ども自身が自らの力で自立的に育っていくことは間違いないことです。

そのうえで、敢えて父親の役割を考えてみると、子どもにとっての父親の姿を大雑把に分けると、「強い(或いは怖い)父親」と「友達的な(或いは優しい)父親」のタイプがありそうです。しかし、どのタイプの父親でも、最も大切なことは、子どもにとって、お父さんは「自分のことを大切にしてくれている」こと、その上で「正しいこと、誤っていること」をきちんと教えてくれることを感じ取れることでないでしょうか。

そのことによって、子どもは父親に対し「心の安定感」を持ち、また父に対する「尊敬心」を持ち、自己肯定力を高めていきます。もちろん、このことは母親にも言えることですが、子どもにとって母親は自分の分身のようにいわば一体感を感じるのに対し、父親には距離間(ないし不安感)を持ちやすいのでないかと思います。それだけに、お父さんから「大切に思われている」こと、お父さんを「尊敬」できることを、子ども自身が感じ取れることは、その距離間を縮め、安心感、自己肯定感を持つことに繋がります。

私事ですが、今思うに、私は母親から慈愛の心を、父親から哲学(人としてどう生きていくか)を学んだような気がします。