大型連休も終わり、思いきり休んだ方、お仕事で休めなかった方、皆様それぞれにどのように休日をお過ごしだったでしょうか。それに子ども達も普段と違う「あそび」に夢中になれたでしょうか。休日でかえってお疲れになり、お子様が早く幼稚園に行って欲しいと思った方もおられたかも知れませんね。

例年、4月には幼稚園に馴れた子ども達も、連休後にはまた逆戻りもみられますが、大人と違って時間の観念が希薄であり、今年の連休がどのように影響するのか不透明です。それでも子ども達は、環境に柔軟に適応する能力があり、若干の時間を要しても、元気に「あそび」まわることでしょう。

幼児期の子ども達の成長は、「あそび」によって様々なことを学びます。小学校以降の算数、国語、社会や理科という区分された「教科」として、学ぶのではなく、例えばブランコや滑り台などの遊具「あそび」であれば、乗ったり滑ったりして健康な身体つくり、力加減や危険回避など環境に順応する能力、乗る回数を数えたり、順番待ちのルールや友達との言葉の使い方などを総合的に学びます。水「あそび」にしても、道具の使い方、液体の動き、それを工夫する「あそび」、さらに冷たい、温かい温度、濡れた衣服の乾き方など、「あそび」ながら学びます。子どもの「あそび」には、言わば全ての領域(教科)が含まれています。実は、子どもの育ちには、「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5領域が、日本の幼児教育の基準となる「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園・保育要領」に、そのねらいと内容が示されています。

しかし、私達保育者はこれを分解して子ども達に教えるのではなく、「あそび」を通して、総合的に学ぶようにしているのです。これを分解して教えることは避けなければならないとされています。もちろん、幼稚園・保育園では様々な学びをしていますが、育ちの基本的な指針として、これらをもとに、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を踏まえて、保育を行っています。さらに小学校教育への連結も重要な指針でもあります。

近年、幼児教育と小学校は全く別な教育機関ではなく、一貫した一連の流れとして捉えることも重要なこととされています。そういう意味では、次年度令和2(2020)年は「教育改革」と呼ばれ、小学生にとって一番大きいのは英語の導入ですが、現在5・6年生で行われている「外国語活動」を3・4年生で行い、5・6年生は「正課」として導入されます。移行期として、既に各小学校では様々な工夫が始まっています。私達の学園では、県内で創立以来「子ども達に大きな夢を」と、いずれ訪れるであろうグローバルな世界にも羽ばたくことを願い、長年に渡って英語を取り入れてきた唯一の幼稚園ですが、これが小学校で生かされていくことに、やりがいを感じます。英語について言えば、英語を「教科」としてではなく、他の保育と同じように、様々な「あそび」のなかで総合的に学び、将来の基礎となるよう長年学園の英語科の先生達が、保育の先生と一体となって英語への興味、様々な指導方法や教材を工夫してきたことが、小学校でも生かされていければと願っています。

「あそび」の学園として、子ども達とたくさん「あそび」たいと思います。