発表会は、寒いなか皆様のご協力を頂き無事に終えることができました。
年少・年中・年長の発表を通して観ると、3年間の成長ぶりがよく分かり、感激するものがあります。園長先生が、年少児入園のときに心配していたお子さんが舞台で頑張っているのを見てつい涙が出てしまったとの話をしていたのも、印象的でした。
最近、文部省が小学生のスマホの学校持ち込みを容認する方針を発表したことが報じられ、マスコミもその是非について大きくとりあげていました。賛否両論のあるなかで、教育評論家の尾木直樹さんは、「取り返しのつかない教育の深刻な誤りだ」と痛烈に批判されていました。
保護者の皆様も賛否さまざまなご意見があろうかと思います。積極的にスマホの利用を認める方もあり、また緊急時の連絡の必要性からやむを得ないとする方も多いと思います。
教育的にみればどうかと言うと、確かに否定的にならざるを得ないと言えます。
テレビ・スマホの子どもに及ぼす弊害は、尾木さんの言うように深刻な問題を起こしかねません。
脳科学において、スマホをしている子どもの脳は、物を見る後頭葉と音を聞く側頭葉のみ活動し、「考える活動、行動や感情を制御する活動、我慢する活動、コミュニケーション力を養う活動、相手の気持ちを理解する活動」をする前頭前野がほとんど活動をしていないことが明らかになっていることは、以前この欄で紹介したことがあります。そのうえ、スマホへの依存症により学力の低下が実証されているのです。1998年・2003年に米国の小児学会、2005年には日本の小児学会が、テレビ、スマホの子ども達に対する危険のメセージを発しています。尾木さんが怒るのは、このようなことを考えてのことと思います。また登下校時の歩きスマホも心配されるところです。
他方、スマホの有用性のほか、地震・交通事故等の災害時や不審者情報やその危険に対する対応時にスマホの必要性を求める声にも、うなずくことも出来ます。そういうことを考えると、一律に割り切れない問題であることは確かです。
要は、これらの問題提起に対し、どう調和し、どう対処していくことが必要になってくると思います。学校持ち込みを容認するにしても、学校内の授業中・休み時間・放課後にどのようなルールづくりをするかが重要になってくるのでないでしょうか。
放課後までは、一定の場所に保管する方法、登下校時には歩きスマホを慎むルール、さらには自宅を含めてスマホの利用に関する正しい学校教育を行っていくことが必要となってきます。
SNSによるいじめや炎上、感情のままインターネットの無責任な書き込みや、それを安易に信じてしまう現代のIT社会に突きつけられた様々な問題をも含めて、私達が知恵を出しあっていく必要があります。