1月の大雪は、こども達は雪遊びも出来ましたが、余りの大雪で保護者の皆様は大変だったと思います。職員も交通手段すらままならないなかで歩いて出勤するなど、こども達の送迎の車が駐車できるよう一生懸命雪かきをしました。

幼稚園では、こども達の健康と安全を図るためバスの運行休止の措置をさせて頂きましたが、特に渋滞の続くなかで乗車中のトイレの問題は軽視できず、また路肩の雪によるバス停の危険なども重要な判断要素としました。

早く安全にこども達全員が登園できるよう運転手さんもバスコースなどを回って道路状態を確認しました。保護者の皆様のご協力に感謝申し上げます。「先生方も大変な思いをされているかと思います。休日も先生達が除雪されているのをお見かけ致しました。他にも昨日は自宅前で○○運転手さんをお見かけしました。明日からのバス運行に向けて道路状況を確認されているのだと思いますが・・」など多くの温かいお言葉も頂き、先生達はとても励まされました。

さて、最近、WHO(世界保健機構)は、「ゲーム依存症=ゲーム障害(Gaming disorder)」を、「物質使用または嗜癖行動による障害」とすることになりました。これは普段の生活が破綻するほどの、持続的かつ反復的なゲームへののめり込みを指し、現に日本でも学校教育のなかで大きな問題になっています。

学校から帰るとランドセルを投げ出して、また食事の時間もそこそこにゲームに熱中する、結果勉強に身が入らない、勉強をする意欲が持てないと言った現実的な問題が提起されています。ゲームをすることによって、興奮作用をきたすアドレナリンが異常に分泌され、それがタバコ・酒・或いは麻薬に似た習慣性を起こすのです。またゲーム機は目への悪影響も既に指摘されています。

ここで、問題としたいのは、幼児期の発達過程とのかかわりです。幼児期、特に3歳から5歳における興味、成功体験は、オリンピック選手や将棋の藤井聡太4段の幼児期の喜びや成功体験の話を持ち出すまでもなく、その後の青少年期に至るまで大きく残り、影響します。問題はそれが好ましい成功体験であれば良いのですが、いくら本人に管理させようにも、未だ自己管理の能力十分でない幼児期(脳科学的には前頭葉の未発達な段階)において、ゲームのように習慣性をきたす嗜好体験をすることによって、その後に歯止めのつかないゲーム等へののめり込みを起こしやすいと言われています。幼児期には親の言葉で一見自己管理が出来そうに思いますが、「自我」が強く発達する小学生くらいには親の管理能力が及ばず問題が顕在化することも考えられます。

以上のような考えには、保育理論・幼児教育を学ぶ人に概ね異論はないと思います。子育てや教育学は、先人が経験と実績(臨床)の積み重ねで得てきた知識・知見であり、幼児期の発達過程の特性は既に解明され、また最近では脳科学など、科学の面からも裏づけられてきています。

それではどうしたら良いのでしょうか。大事なことは、電子機器等を与えるとすれば自己管理が出来る少なくても小学校高学年以降の時期に、きちんとした約束のもとで与えるのが良いのではないかと思います。近年ポケモンなど、スマホで手軽に出来るゲームやソフトがありますが、幼児期にこどもにさせるのは、言わばタバコやお酒を与えているに等しいと言えるかも知れません。

むしろこの時期は、自分の五感で物を作ったり、行動したりする喜びを体験させるべきと考えます。電子機器と私達の生活は最早切り離せず、むしろ有効に利用するべきですが、学ぶ時期の年齢も考えることも親の努めと思います。