今年の夏は、全国的に不安定な天気が続き、夏らしい夏ではなかったようですが、二学期、子ども達の健康に留意していきたいものです。

さて、先月に続いて、親子の信頼関係についてのお話をしてみます。

乳幼児期には、親と子の関係において、子どもの気持ちを尊重し、受け止めることが大切であることは言うまでもないことです。しかし、これが解っていても、日常の生活のなかで意外と戸惑うことも多いものです。子どものやりたいようにやらせてあげ、余り口を出しては子どもの自主性を損なうのではないかと思う気持ちと、他方でここは我慢させるなどきちんとしつけをするべきでないかと悩むことも多いはずです。言葉を換えれば、甘やかして良いのか、もっと厳しくするべきなのかの場面に遭遇します。子どもの自主性を尊重することも大切ですが、我慢させたりすることも必要なのではないかについて、親と子の距離をどのように取っていけば良いのでしょうか。

それを考えるに、子どもの心には常に不安な気持ちが渦巻いています。これを安定させるものが、親と子の依存関係と言えます。安心感の源は、授乳や日常のスキンシップ、ほめてあげる、認めてあげるなどで、これによって不安感が安心感に満たされていきます。こうして子どもには、甘えたり、わがままを言っても親から見捨てられないという気持ちが醸成されます。この気持ちが育ち、根底に親との信頼関係が育っていけば、やってはいけないこと、危険なことなどについてのきちんとしたしつけは、一時的に反発しても、子どもはそれを受け入れ、次第にそのしつけが身につき、決して自主性を損なうことはないのです。ただし過度の押しつけが良くないことはもちろんです。

そのうえで、子どもの気持ちを満たしながら、我慢させることを体得させるひとつの“こつ”とも言うべき方法として、子どもの気持ちを満たしてあげると同時に、その気持ちを方向転換して別の興味を与えたり、「これをやったらそれ以上は(或いはこの次は)我慢するのよ。」と約束させるなども良い方法かも知れません。

先日は、Jアラート警報が流れ、不安な気持ちにさせられましたが、子ども達のことを考えると、これからの子ども達を取り囲む日本が、そして世界がどうなっていくのか不安でもあります。為政者達も純粋な子どもの頃があったのに、どのような成長過程を通ってきたのかと思います。

子ども達が安心、安全に過ごせる日本、世界になって欲しいものです。