10月、ようやく秋らしい涼しい季節がやってきました。

9月は暑い日が続き、運動会が予定どおり実施できるかを心配しながらの毎日でした。各園とも、無事に楽しく運動会を終えることができました。

運動会の当日の子ども達の楽しそうなお顔をみていると成長が感じられ、嬉しく思いました。年少さんのミニ運動会も含め、皆様の協力ありがとうございました。

お稽古なども、夏の暑さを我慢して、子ども達も、先生もたくさん頑張ってくれました。そういえば、「我慢」には、ただ我慢する(させられる)ものと、自分の目標に向かって我慢する(頑張る)ものとあります。

マシュマロテストというものがあります。

簡単に言えば、マシュマロテストとは、幼児にマシュマロを目の前に置いて、戻ってくるまで待っていたら、もう一つ上げると言って部屋に一人残し、どのくらいの時間を我慢できるかのテストです。年齢の低い子は短く、高い子は長いのが一般的かと思います。これは子どもの我慢をする力が育っているかの差です。しかし、同じ年齢でも個人差があります。

このマシュマロテストについて、東京大学大学院教育研究科の針生悦子教授が「私幼時報(2023年9月号)の「視点」欄に、日頃私が考えていることと同じようなことを書かれているのが目にとまりました。

針生先生によれば、このテストを1960年代に開発したミシェル博士(スタンフォード大学心理学者)による追跡調査では、待つことのできた子は、その後の学校の成績はより良い成績を上げた結果が得られ、「我慢して待てる力」は、その後の人生の成功につながっているという報告です。

しかし、待つということと、1Q(知能)とは、直接は関係しないという別のグル-プの報告があるということです。では一体その力は何かということですが、それは「目標に向かって我慢(努力)する力」ということになるのでないかと、針生教授は述べています。マシュマロテストでも、ただ我慢しているのではなく、我慢すればもう一つのマシュマロを貰えるという目標に向かって、努力した結果ということでしょうか。成長するに従って、その目標が「物」ではなく、自分の夢や憧れ、最初は小さな目標でもしだいに大きな目標に向かって努力しようとする力に変わってきます。目標の大切さが重要になって来ます。

ここから学べることは、子ども達が実現したい目標に向かって努力することこそが、人生における大きな力になるのでないかと思います。確かに世の中に成功した人や幸せな人には、自分の好きなことや夢に向かって、或いは選んだ道を努力して歩んでいる人が多いと思えます。